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僕は、展示してある作品から作家の意図や思想がみえた時、冷める。
特にそれが、美術界における新しさや面白さを主張しているものなんかだとがっかりだ。
作品や美術や芸術と「名のつくもの」が美しかったりすばらしいのではなく、
あたりまえだが美しいとは、そう「感じること」だ。
美しいものはそこらへんにもある。
机の上や、フとしたしぐさや一言、愛情のこもった料理、人、街、音、自然、、、
僕はそれらと自分の作品を等価にみているし、その目を持ち続けたいと思う。
かなわないものはいっぱいある。
僕はあまり映画館には行かないんだけれど、数年前ある映画を劇場で7回観た事がある。
そして毎回、同じ場面で同じ量の涙が出た。
この場面ではうるうるする程度、ここではこぼれるくらい、、、という様に。
これは何度も観ているわけだから、そのストーリーに泣かされたのではなく、
よくわからないナニカが僕の涙腺をゆさぶっているということだろう。
そのナニカは文章の行間に潜んでいたこともあったし、
きっと日常生活の中にもたくさん潜んでいるに違いない。
例えば人と話すとき、交わしている言葉以外にも
様々なナニカでコミュニケーションしているわけで、
僕はそんなやりとりに興味がある。
山口和也 |